逆流性食道炎

逆流性食道炎

REFLUX逆流性食道炎について

逆流性食道炎について

日本では逆流性食道炎が幅広い世代で長年増加傾向にあり、これはピロリ菌感染率の低下による胃酸分泌能の増加や高脂肪食などが大きな要因となっていると考えられています。
胃壁には強い酸性の胃酸から守る粘液という防御・修復機能がありますが、それが弱い場合食道粘膜は胃の内容物の逆流に繰り返しさらされ炎症や潰瘍を生じる逆流性食道炎を発症します。また最近では胃カメラ検査が正常で症状だけ起こす、非びらん性逆流性食道炎(NERD)も注目されています。これは食道の知覚過敏が原因の一つと言われていて逆流性食道炎の50-70%を占めています。
主な症状は、胸やけ、みぞおちの痛み、酸味や苦味が上がってくる呑酸、咳などです。
食事や姿勢などの生活習慣が発症や症状悪化に関与しますので、再発を繰り返しやすい傾向があります。長期的に食道粘膜の炎症が続くとがん化リスクが上昇するという指摘もされていますので、しっかり治して再発を防止する事が重要です。

REFLUXこのような症状はありませんか?

  • 胸やけ
  • 胸がムカムカする
  • 呑酸(酸味や苦味が上がってくる感じ)
  • 胃もたれ、お腹の張り
  • 喉の違和感
  • つかえ感
  • げっぷ

など

上記のような症状がある場合、逆流性食道炎の可能性があります。ただし、まれですが食道がんでもこうした症状が現れる場合がありますので、こうした症状が続く場合には早めにご相談下さい。

REFLUX逆流性食道炎になりやすい方

食事内容、食事後の姿勢、肥満、ウエストを締め付ける衣類など、生活習慣が発症や悪化に関与しますので、再発を予防するためにも下記のような生活習慣の見直しが必要になります。なお、妊娠や加齢による背中の曲がりなどによって腹圧が上昇して逆流性食道炎になる事もあります。

  • 食後すぐに横になる習慣

  • 食べ過ぎ
  • 過剰なアルコール摂取
  • 高脂肪食
  • 就寝前の食事やアルコール摂取
  • 肥満
  • 腹圧のかかる猫背や前かがみなどの姿勢
  • ウエストを強く締め付けるベルト・コルセット・帯などの着用

REFLUX逆流性食道炎の原因

ピロリ菌に感染していない健康な胃は胃酸を出す能力を維持されていて、ピロリ菌の感染率の低下が原因の一つとして関与しています。また、加齢などによる逆流を防ぐ括約筋のゆるみ、食後すぐ横になる習慣、高脂肪食・刺激の強い香辛料・カフェイン・アルコールなどの過剰摂取、ストレスなどによる胃酸分泌過剰、肥満・猫背などによる腹圧の上昇など、複数の要因が関与して発症します。
炭酸飲料が胃の内圧を高めて逆流リスクを上昇させる事もあります。上部消化管の手術による胆汁の逆流、胃の上部が横隔膜より上にはみ出してしまう食道裂孔ヘルニアなども逆流性食道炎の発症につながる場合があります。

REFLUX逆流性食道炎の検査

胃カメラ問診で症状や、普段飲んでいる薬などについて丁寧に伺った上で、逆流性食道炎が疑われる場合には胃カメラ検査を行って食道粘膜の状態を確かめます。
疑わしい部分の組織を採取して病理検査を行う事で食道がんを始めとする多くの疾患の確定診断が可能になり、適切な治療が可能になります。
当院では微細な早期の食道がん発見も可能な特殊光を使った観察ができる高度な最新内視鏡システムを導入しており、専門医が丁寧に検査しています。心身への負担を最小限に抑えた検査を提供していますので、安心してご相談下さい。

REFLUX逆流性食道炎と合併症

逆流性食道炎による食道の炎症は続くと、食道がんリスクの高いバレット食道、睡眠障害などの合併症を起こす可能性があります。

バレット食道

食道粘膜が繰り返し炎症を起こすと、胃粘膜に似た組織に変化するパレット食道を発症する場合があります。パレット食道はがん化リスクが高いという指摘がされています。症状がなくなってからも治療を続けて炎症をしっかり治し、生活習慣を見直して再発を防止しましょう。

睡眠障害

起きている間は重力によって胃の内容物が下に引っ張られていますが、横になると逆流を起こしやすくなり、胸やけや呑酸、みぞおちの痛み、咳などの症状が強くなって、寝付きが悪くなる、夜中に何度も目覚めるなどの睡眠障害を起こすケースがあります。
特に就寝前の食事や飲酒は控えて下さい。飲酒は筋肉を弛緩させますので、逆流を防ぐ筋肉の締め付けも弱くなり、症状悪化につながります。
睡眠障害が悪化すると睡眠の質が低下して日中の集中力低下や注意力散漫などを起こし、生活の質を大きく下げるだけでなく、事故などを起こすリスクも高くなってしまいます。どうしても横になる必要がある場合はできるだけ上体を高くし、左側を下にして横になりましょう。

REFLUX逆流性食道炎とストレス

逆流性食道炎とストレス

ストレスは自律神経のバランスを崩しますが、自律神経は消化器の機能をコントロールしていますので、ストレスによって過剰な胃酸分泌や蠕動運動などの機能不全を起こし、逆流性食道炎の発症や悪化に関与する事があります。ストレスは他の消化器疾患の発症や悪化にも関与します。
ストレスで胃腸症状を起こしやすい場合には、気分を切り替えやすくする環境作り、熱中できる趣味やスポーツ、リラックスできる時間を積極的に作るなどを心がけて下さい。

REFLUX逆流性食道炎と喫煙・飲酒

喫煙

タバコに含まれるニコチンは、胃酸分泌を増加させて逆流を起こすリスクを上昇させます。また、唾液は食事以外の際にも食道粘膜を守る役割も担っていますが、喫煙によって唾液分泌が低下してしまい、逆流によるダメージを受けやすくなります。

飲酒

アルコールは筋肉を弛緩させる作用を持っており、胃から食道への逆流を防いでいる下部食道括約筋の締め付けも飲酒によってゆるんでしまいますので、逆流を起こしやすくなります。
また、逆流した胃の内容物は蠕動運動によって胃へと戻されますが、蠕動運動も筋肉によって行われていますので、飲酒すると蠕動運動が低下して戻るまでに時間がかかり、食道粘膜へのダメージが強くなってしまいます。

REFLUX逆流性食道炎の治療

症状は適切な薬の投与によって改善が可能ですが、炎症が完全に治るまで治療を続ける事が重要です。
また、再発しやすいので、夕食を早めに取ることや食後3時間は横にならないなど食事を含む生活習慣の見直しも不可欠です。

薬による治療

胃酸分泌抑制薬を中心に、必要に応じて食道や胃の機能改善薬、食道粘膜保護薬などを処方しています。近年ボノプラザン(商品名タケキャブ)という強力な胃薬が出てきて胃酸が原因の逆流性食道炎が軽快されるようになってきています。
ただし、中には胃酸が関与しないものもあり、その場合効果がなく治療に難渋します。

生活習慣・食習慣の改善

高脂肪食や胃酸分泌を過剰にする刺激の強い食品の過剰摂取を避けましょう。肥満を解消して適正体重を維持し、就寝前の食事や飲酒を控えます。ウエストを締め付けないようにして、猫背にならないよう姿勢に気を付けます。また、できれば禁煙して下さい。

REFLUX逆流性食道炎の再発予防

生活習慣の改善

姿勢

猫背や前かがみをできるだけ避けましょう。デスクワーク、手芸や工作、庭仕事など腹圧が上がりやすい作業では、こまめに休憩して腹圧のかからない姿勢をとるようにして下さい。

ウエストの締め付け

ベルトやコルセット、ガードル、帯などでウエストを強く締め付けないようにしましょう。

就寝時

横になると症状が現れやすい場合は、クッションなどで上半身を高くすると緩和される場合があります。
夕食を早めに食べることで食事から寝るまでに3時間以上間を空けることで寝る時の胃酸を減らすこともできます。

食事

消化しにくく胃に長くとどまる脂肪の多い食品を控えます。
アルコール、唐辛子などの香辛料、カフェイン、酸味の強いものなど、胃酸分泌を促進させる食べものは控えましょう。
食べ過ぎや飲み過ぎを避け、よく噛んでゆっくり食べましょう。就寝の2時間以上前に夕食をすませましょう。寝酒も厳禁です。
逆流リスクが高くなる食後には唾液を増やすチューインガムが有効と指摘されています。キシリトールの入ったガムは虫歯予防にもつながります。

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