十二指腸潰瘍

十二指腸潰瘍

十二指腸潰瘍とは

腹痛

十二指腸は胃と小腸の間にあり、指12本分の長さを持つことからこの名前で呼ばれるようになったとされています。十二指腸は胆汁や膵液を分泌して脂肪やタンパク質の消化を促すと共に、胃酸で強い酸性を帯びた内容物を中和する役割を担っています。
十二指腸潰瘍は、十二指腸の粘膜が深く傷付いて潰瘍になっている状態です。胃潰瘍と同じ原因で十二指腸潰瘍も起こりますが、自覚症状に乏しく、十二指腸壁は比較的薄いことから穿孔や大量出血のリスクが高く注意が必要な病気です。
疑わしい症状が少しでもありましたら、できるだけ早くご相談ください。

十二指腸潰瘍の症状

下記のような症状がありましたら、すぐに受診してください。

  • 空腹時に胃やみぞおちの周辺に痛みが起こる
  • 腰や背中周辺に痛みがある
  • ピロリ菌に感染している、または感染していた
  • 黒くて粘り気の強いタール便
  • 吐き気・嘔吐・吐血
  • 食欲低下・体重減少

など

症状に気付きにくい理由

十二指腸潰瘍では上腹部痛が主な症状ですが、上腹部痛がなく腰や背中などに痛みを生じるケースも少なくありません。腰や背中の痛みを感じた場合、整形外科を受診しても骨や筋肉などに異常がなく、発見が遅れることがよくあります。
また、整形外科では痛み止めとして非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)が処方されることがあり、その副作用として十二指腸潰瘍や炎症が悪化してしまうケースもあります。慢性的な腰や背中の痛みがある場合、十二指腸潰瘍をはじめとした消化器疾患が原因になっている可能性がありますので、気軽にご相談ください。
また胃潰瘍に比べると吐血しにくく、出血があっても気付きにくい傾向があります。進行して十二指腸壁や破れる穿孔などを起こすと心身への負担が大きい緊急手術が必要になってしまいます。少しでも異変があったらできるだけ早く受診することが重要です。

十二指腸潰瘍の原因

胃では食べものの消化と病原体の殺菌・不活化のために強力な酸性の胃酸が分泌されますが、粘膜は粘液による保護・修復の防御機能によって溶かされることなく守られています。この胃酸分泌と防御機能のバランスが崩れると胃粘膜や十二指腸粘膜が傷付いて炎症や潰瘍を生じます。
胃酸分泌と防御機能のバランスを崩す主な原因は、ピロリ菌感染と非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)など薬の副作用です。また、ストレス、刺激の強い香辛料・カフェイン・アルコールの過剰摂取、喫煙なども発症に関与します。

十二指腸潰瘍の検査

問診で症状の内容や起こるタイミング、症状が起こりはじめた時期や変化、服用されている薬や食習慣などについて伺います。胃カメラ検査で、食道・胃・十二指腸の粘膜の状態を詳細に確かめ、炎症や潰瘍の程度や範囲を確認し、必要があれば組織を採取して病理検査を行い確定診断につなげます。また、ピロリ菌感染の有無も確かめることができます。
当院では長年研鑽を積んだ内視鏡専門医が全ての胃カメラ検査を行っており、極細内視鏡スコープを使用することで苦しい嘔吐反射が起こりにくい経鼻検査が可能です。また、鎮静剤を使ってウトウトしている間の検査ですので、リラックスした状態で楽に受けられます。

十二指腸潰瘍の治療

胃カメラ検査で把握した炎症や潰瘍の程度、範囲に合わせた適切な治療を行っています。出血している場合には胃カメラ検査中に止血処置を行います。
治療効果の高い薬があり、適切な薬物療法で比較的短期間に症状が改善しますが、潰瘍や炎症が解消して粘膜の状態が回復するまで治療を続けることが再発予防には不可欠です。ピロリ菌感染陽性の場合は、除菌治療に成功することで再発率を大幅に下げることができます。なお、ピロリ菌の除菌治療は潰瘍の治療がある程度進んで状態が改善してからはじめます。薬の副作用で潰瘍を生じている場合には、薬の処方を見直します。
また、生活習慣の見直しは症状改善と再発予防に有効です。ストレスが炎症や潰瘍の再発や悪化に関与しますので、上手なストレス解消を心掛けましょう。

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